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引き出しの奥から出てきた古い水銀体温計、使わなくなった電子体温計——「体温計って何ごみ?」と迷う人は少なくありません。やっかいなのは、水銀式と電子式で捨て方がまったく違うこと。水銀体温計は有害ごみとして拠点回収に出す必要があり、ふつうのごみに混ぜると環境汚染につながります。この記事では、水銀式・電子式それぞれの正しい出し方、割れたときの対処、回収の背景までを、自治体や国の情報をもとに整理します。
体温計は「水銀式」か「電子式」かで捨て方が真逆
まず確認したいのが、手元の体温計が水銀式か電子式かです。これによって出し方が大きく変わります。
- 水銀体温計(ガラス管の中に銀色の液体):水銀を含む有害ごみ。拠点回収に出す。
- 電子体温計(デジタル表示・ボタン電池入り):多くは不燃ごみや小型家電。ボタン電池は外して分別。
見分け方は、ガラスの管の中に銀色の液体が入っていれば水銀式、デジタルの数字で表示されるものが電子式です。同じ「体温計」でも、水銀式をふつうのごみに出すと回収できないばかりか、割れて水銀が漏れる原因にもなります。まずはタイプを確かめてから、以下の出し方に進みましょう。
水銀体温計は有害ごみ——拠点回収に出す
水銀体温計は、有害ごみとして、自治体の拠点回収に出すのが基本です。水銀は人体や環境に有害な物質で、ごみ処理の過程で大気や水に出ると、健康被害や環境汚染をもたらすおそれがあるためです。燃やすごみや不燃ごみに混ぜず、専用の回収ルートに出します。
多くの自治体が、水銀体温計・水銀温度計・水銀血圧計をまとめて回収しています。横浜市では、これらの水銀製品を区役所や収集事務所に置かれた専用の回収ボックスで受け付けています。購入時のケースなどに入れたままでもよく、割れないように持ち込みます。電子式の体温計は、この回収ボックスの対象外です。
どこに持ち込む?——区役所・環境事業所の回収ボックス
水銀体温計の拠点回収は、区役所や環境事業所、収集事務所などに設置された回収ボックスに持ち込む形が一般的です。受付時間が決まっているので、開いている時間を確認してから持ち込みます。
横浜市の場合、区役所の回収ボックスは平日(月曜日から金曜日)の午前8時45分から午後5時、収集事務所は月曜日から土曜日の午前9時から午後4時に利用できます。名古屋市でも、平成29年から水銀使用製品の拠点回収を始めており、家庭の水銀体温計・水銀温度計を各区の環境事業所に持ち込めます。大阪市など、回収ボックスを設けている自治体も多くあります。お住まいの「市区町村名+水銀 体温計 回収」で、最寄りの拠点と受付時間を確認しておきましょう。
電子体温計の捨て方——不燃ごみ・小型家電とボタン電池
デジタル表示の電子体温計は、水銀を含まないため、多くの自治体で不燃ごみや小型家電として出せます。本体は小型の電子機器なので、小型家電の回収ボックスを利用できる地域もあります。
注意したいのが、中に入っているボタン電池です。電池が外せるタイプは、本体から外して、ボタン電池の回収ルート(家電量販店などの回収ボックス)に出します。電池を入れたまま捨てると、発火やショートの原因になることがあります。ボタン電池やリチウム電池の扱いは、モバイルバッテリー・リチウムイオン電池の捨て方もあわせて確認すると、家じゅうの電池の手放し方が整理できます。電池が外せない一体型のものは、自治体の小型家電や不燃ごみのルールに従って出します。
水銀体温計が割れてしまったときの対処
古い水銀体温計は、扱ううちに割れてしまうことがあります。中の水銀がこぼれたときは、あわてず、次のように対処します。
- 換気して、その場を離れさせる:窓を開けて風を通し、子どもやペットを近づけないようにします。
- 吸い込まない・素手で触らない:水銀は常温でも少しずつ蒸発するため、顔を近づけず、手袋を使います。
- 掃除機やほうきは使わない:水銀が舞い散ったり、掃除機内に残ったりします。厚紙やテープで静かに集めます。
集めた水銀は、密閉できるビンや袋に入れ、自治体の有害ごみ・水銀製品の相談窓口に出し方を確認します。割れた体温計のガラス片もいっしょに、安全に包んで保管しておきましょう。健康への不安がある場合は、無理に自分で処理せず、自治体や専門の窓口に相談すると安心です。
なぜ水銀は分けて回収するのか
水銀体温計をわざわざ分けて回収するのは、水銀による環境汚染を防ぐためです。背景には、水銀の使用や輸出入を国際的に規制する「水俣条約」があり、日本でも水銀製品の回収・適正処理が進められています。
環境省も、家庭や教育機関などに眠る水銀体温計・血圧計の集中的な回収を呼びかけてきました。一本ずつは小さな製品でも、まとまれば相当な量の水銀になります。正しく回収に出すことで、水銀が環境に出るのを防ぎ、資源として適正に処理されます。「古いから」と燃やすごみに混ぜず、拠点回収に出す意味がここにあります。
血圧計・温度計など他の水銀製品も同じ
水銀を使った製品は、体温計だけではありません。水銀血圧計、水銀温度計、水銀の入った室内温度計なども、体温計と同じ拠点回収の対象です。古い家庭や、家族の介護用品の中から出てくることがあります。
また、蛍光灯(蛍光管)にもわずかに水銀が含まれており、こちらも有害ごみとして拠点回収や専用の回収に出します。照明の入れ替えで蛍光灯がまとめて出たときは、照明器具・シーリングライトの処分方法もあわせて確認すると、水銀を含むごみをまとめて正しく手放せます。電子ライターなど電池を含む小物の整理には、ライター・チャッカマンの捨て方も参考になります。
処分する前に確認すること
体温計を手放す前に、次の点を確認しておくとスムーズです。
- タイプを確かめる:銀色の液体が入っていれば水銀式(有害ごみ・拠点回収)、デジタル表示なら電子式(不燃・小型家電)。
- 割らないように運ぶ:水銀式はケースに入れ、衝撃を与えないように持ち込む。
- 電池を外す:電子式は、外せるボタン電池を取り外して別に分別する。
タイプの見分けと、割らない・電池を外すというひと手間で、安全に手放せます。判断に迷うときは、自治体のごみ分別の案内で「体温計」を調べると、地域ごとの正しい出し方が分かります。
水銀体温計から電子式・非接触式への買い替え
古い水銀体温計を手放すこのタイミングで、新しい体温計への買い替えを考える人も多いものです。今は、数十秒で測れる電子体温計のほか、耳で測る耳式(赤外線)、おでこにかざす非接触式など、さまざまなタイプがあります。水銀式のように割れて水銀が漏れる心配がなく、扱いやすいのが利点です。
買い替えで古い体温計が複数出てきたら、水銀式は有害ごみの拠点回収へ、電子式は不燃ごみや小型家電へ、と種類ごとに分けて出します。新しく買った電子・非接触式も、いずれ手放すときはボタン電池を外して分別する、と覚えておくと、次の処分で迷いません。電池の交換時に出る使用済みのボタン電池も、家電量販店などの回収ボックスに出すと安心です。
実家の片づけや介護用品から出てくることも
水銀体温計は、長く使われてきた製品だけに、実家の片づけや、家族の介護用品の整理のときにまとめて出てくることがあります。水銀血圧計や水銀温度計が一緒に見つかることも珍しくありません。古い救急箱や薬箱の中も、確認しておきたい場所です。
環境省は、こうして家庭や学校などに眠っている水銀製品の集中的な回収を呼びかけてきました。まとめて出てきたときも、燃やすごみに混ぜず、水銀製品はまとめて拠点回収へ出します。量が多いときや持ち込みが難しいときは、自治体の窓口に出し方を相談しておくと、安全に手放せます。一度に片づけるなら、回収ボックスのある区役所や環境事業所の場所と受付時間を、先に調べておくとスムーズです。
体温計の処分でよくある質問
Q. 水銀体温計は燃えないごみに出せますか?
多くの自治体では、水銀体温計は不燃ごみではなく有害ごみとして拠点回収に出します。区役所や環境事業所の回収ボックスを利用してください。地域のルールを確認しましょう。
Q. 電子体温計はどう捨てますか?
多くの自治体で不燃ごみや小型家電として出せます。外せるボタン電池は取り外し、電池の回収ルートに出してください。
Q. 体温計が水銀式か電子式か分かりません。
ガラス管の中に銀色の液体があれば水銀式、デジタルの数字で表示されるものが電子式です。迷うときは自治体の窓口で確認すると安心です。
Q. 水銀体温計が割れてしまいました。
換気して人やペットを離し、吸い込まないようにします。掃除機やほうきは使わず、厚紙などで静かに集め、密閉して自治体の窓口に相談してください。
Q. 血圧計や温度計も同じ捨て方ですか?
水銀血圧計・水銀温度計も、水銀体温計と同じく拠点回収の対象です。蛍光灯も水銀を含むため、有害ごみの回収に出します。
まとめ:水銀式は有害ごみ拠点回収、電子式は不燃が基本
体温計の捨て方は、水銀式か電子式かで真逆になります。水銀体温計は有害ごみとして、区役所や環境事業所の回収ボックスに持ち込みます(横浜市は平日・土曜の受付、名古屋市は各区の環境事業所など)。電子体温計は不燃ごみや小型家電として出し、ボタン電池は外して分別します。
水銀式が割れたときは、換気して吸い込まないようにし、掃除機を使わず厚紙で集めて自治体に相談します。背景には水俣条約や環境省の集中回収があり、小さな一本でも正しく分けることが、環境を守る一歩になります。血圧計や蛍光灯など、ほかの水銀製品も同じ回収ルートで手放しましょう。
家財をまとめて処分したいときは、こちらも参考にしてください。
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