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揚げ物のあとに残る食用油、賞味期限が切れて使わなくなったサラダ油——「そのまま流しに捨てていいの?」と迷ったことはありませんか。食用油は、液体のままごみに出したり排水口に流したりすると、配管のつまりや火災、水質汚染の原因になります。一方で、固めたり吸わせたりすれば燃やすごみに出せ、回収に出せばバイオ燃料に生まれ変わります。この記事では、家庭でできる油の捨て方と、リサイクル回収の使い方を、自治体の公式情報をもとに整理します。
食用油は「液体のまま捨てない」が大原則
まず押さえておきたいのは、食用油を液体のまま捨ててはいけないということです。やってしまいがちなのが、排水口やトイレに流す方法ですが、油は冷えると固まって配管をつまらせ、下水道や河川の水質汚染にもつながります。
家庭で食用油を手放す方法は、大きく分けて次の2通りです。
- 燃やすごみに出す:凝固剤で固める、または紙や布に吸わせて、可燃ごみとして出す。
- リサイクル回収に出す:自治体や店舗の回収拠点に持ち込み、バイオ燃料などに再生してもらう。
少量なら家庭で固めて燃やすごみ、量が多いならリサイクル回収、と使い分けると無駄がありません。以下で、それぞれの具体的なやり方を見ていきます。
家庭でできる捨て方①——凝固剤で固める
もっとも手軽なのが、市販の油凝固剤(廃油処理剤)で固める方法です。スーパーやドラッグストアで手に入り、油をゼリー状に固めて、燃やすごみとして出せます。
使い方は、油が温かいうち(おおむね80℃以上が目安)に凝固剤を入れ、粉が溶けるまでよくかき混ぜます。そのまま冷ますと1時間ほどで固まるので、フライパンや鍋からはがして、燃やすごみに出します。固めてしまえば液だれの心配がなく、ごみ袋を汚さずに捨てられるのが利点です。
凝固剤がないときは、ゼラチンや片栗粉では固まらないので、専用の凝固剤を使うか、次に紹介する「吸わせる」方法を選びます。熱い油を扱うので、やけどに注意し、火を止めてから作業しましょう。
家庭でできる捨て方②——新聞紙・布・牛乳パックに吸わせる
凝固剤を使わない場合は、紙や布に油を吸わせて燃やすごみに出す方法があります。手元にあるもので処理できるのが利点です。
- 新聞紙・キッチンペーパー:ポリ袋に新聞紙を入れ、冷ました油を吸わせて口を縛る。
- 牛乳パック:洗って乾かした牛乳パックに、新聞紙やキッチンペーパーを丸めて詰め、油を吸わせてからフタを閉じる。こぼれにくく扱いやすい。
- 古布・ウエス:いらなくなった布に吸わせる。量が少ないときに便利。
いずれの方法でも、油はしっかり冷ましてから吸わせます。熱いまま紙に吸わせると、発火のおそれがあるためです。吸わせたあとは口を縛り、地域の燃やすごみのルールに沿って出しましょう。
油をしみ込ませた紙の自然発火に注意
意外と知られていないのが、油をしみ込ませた紙や布が自然に発火することがあるという点です。とくに気温の高い時期や、日の当たる場所に置いておくと、油が酸化するときの熱がこもって発火につながることがあります。
これを防ぐには、油を吸わせた紙や布に水もいっしょにしみ込ませてから袋を縛り、熱がこもらないようにします。ごみに出すまでの間は、直射日光やコンロのそばなど高温になる場所を避け、風通しのよい日かげで保管すると安心です。揚げ物で使った大量の油を一度に処理するときほど、この点に気をつけましょう。油が関わる発火という意味では、万一の備えとして消火器の処分方法とあわせて、家庭の防火を見直すきっかけにもなります。
リサイクル回収に出す——BDFやSAFに生まれ変わる
使用済みの食用油は、捨てるだけでなくリサイクル回収に出すという選択肢があります。回収された廃食用油は、バイオディーゼル燃料(BDF)や、近年は航空機の燃料であるSAF(持続可能な航空燃料)などに再生されています。
名古屋市では、家庭から出る使用済みの食用油を、市内の回収協力店舗(スーパーなど)約71店舗で回収し、バイオディーゼル燃料などに資源化しています。回収できるのは植物性の油で、動物性の油や機械油、燃料油は対象外です。横浜市でも、港南区などで植物性の食用油を回収し、インクやジェット機の燃料、SAFなどへ再生する取り組みが進められています。
回収に出すときは、油をこして食品カスを取り除き、ペットボトルなどの決められた容器に入れて持ち込みます。回収拠点や対象の油は自治体ごとに違うので、「お住まいの市区町村名+廃食用油 回収」で最新の場所と条件を確認してから持ち込みましょう。
少量の油・大量の油・未使用の油で分ける
油の量や状態によって、向いている手放し方が変わります。
- 少量(炒め物の残りなど):キッチンペーパーで拭き取って燃やすごみが手軽です。
- 大量(揚げ物の鍋いっぱい):凝固剤で固めるか、リサイクル回収に出すと無駄がありません。
- 未使用・期限切れ:封を切っていなければ、フードバンクや知人に譲れる場合も。使えないものは固めて燃やすごみへ。
大量の油をまとめて処理するときは、一度に紙へ吸わせると発火のリスクが上がるので、凝固剤での固めやリサイクル回収のほうが安心です。量と状態に合わせて方法を選ぶと、手間も安全性も両立できます。
油の容器(ペットボトル・一斗缶)はどうする
油を使い切ったあとの容器も、種類によって出し方が変わります。ペットボトル型の油ボトルは、中をよくすすいでからプラスチック資源や容器包装の区分へ。すすいでも油が落ちない場合は、燃やすごみに回す自治体もあります。
業務用などで使う一斗缶は、金属製のため、サイズによって不燃ごみか粗大ごみになります。中に油が残らないようにしてから、自治体の区分で出します。油の容器は「中身を出し切る・洗う」がポイントで、油が残ったままだと資源として回収できないことがあるため、出す前に確認しておきましょう。
やってはいけない捨て方
油の処分で起こりやすいトラブルは、ちょっとした油断から生まれます。次のような捨て方は避けてください。
- 排水口・トイレに流す:配管がつまり、下水道や河川の汚染につながります。
- 熱いまま紙に吸わせる・袋に入れる:発火のおそれがあります。冷ましてから処理します。
- ペットボトルに入れて液体のまま可燃ごみへ:収集中に漏れて、ごみ収集車を汚す原因になります。
灯油やガソリンなどの油は食用油とまったく別の扱いで、燃やすごみには出せません。間違えやすいので、灯油・ポリタンクの処分方法もあわせて確認し、油の種類ごとに正しい出し先を選びましょう。キッチンまわりの片づけでは、ガスコンロ・ガステーブルの処分方法も役立ちます。
油を長持ちさせて、捨てる量を減らす
そもそも油を長く使えれば、捨てる量を減らせます。揚げ物に使った油は、熱いうちに油こし器や厚手のキッチンペーパーでこし、食材のカスを取り除いてから、ふた付きの保存容器(オイルポット)に移して冷暗所で保管すると、何回か使い回せます。直射日光や火のそばを避けるのが、酸化を防ぐコツです。
使い続けた油は、少しずつ劣化していきます。色が濃い茶色になる、加熱したときに細かい泡が消えにくい、イヤなにおいや煙が出る、とろみがついてくる——こうしたサインが出たら、使うのをやめて処分の合図です。継ぎ足しながら使う場合も、傷んだ油は無理に使い切ろうとせず、固めるか吸わせて手放しましょう。油を上手に使い回せば、処分の回数も自然と減ります。
大量の廃油・引っ越しや実家の片づけで出たとき
引っ越しや実家の片づけで、使いかけの食用油や未開封のサラダ油・ごま油がまとめて出てくることがあります。未開封で期限内のものは、フードバンクや知人に譲れることもあります。期限切れや開封済みのものは、量が多いほど、紙に吸わせるよりも凝固剤での固めやリサイクル回収のほうが手間がかかりません。
一斗缶や複数本のボトルなど、家庭で処理しきれない量のときは、自治体の回収拠点や、廃油を扱う回収業者に相談する方法もあります。家具や家電と一緒にまとめて片づけたいときは、回収サービスの利用も選択肢です。油は種類ごとに出し先が違うので、食用油・灯油・機械油を混ぜないように分けておくと、引き取りもスムーズです。
食用油の処分でよくある質問
Q. 食用油はそのまま排水口に流していいですか?
流してはいけません。油は冷えると固まって配管をつまらせ、水質汚染にもつながります。固めるか吸わせて燃やすごみに出すか、リサイクル回収を利用してください。
Q. 凝固剤がないときはどうすればいいですか?
新聞紙やキッチンペーパー、牛乳パックに吸わせて燃やすごみに出せます。油は冷ましてから吸わせ、水もいっしょにしみ込ませると発火を防げます。
Q. 油を吸わせた紙が燃えることがあると聞きました。
油が酸化するときの熱がこもると、自然発火することがあります。水をしみ込ませて袋を縛り、高温になる場所を避けて保管してください。
Q. リサイクル回収にはどんな油を出せますか?
多くは植物性の食用油が対象で、動物性の油や機械油は対象外です。こして食品カスを取り除き、決められた容器で拠点に持ち込みます。対象や場所は自治体で異なります。
Q. 期限切れの未使用油はどう捨てますか?
未使用なら知人やフードバンクに譲れる場合もあります。使えないものは凝固剤で固めるか、紙に吸わせて燃やすごみに出します。
まとめ:固める・吸わせる・回収に出すの3択で考える
食用油の捨て方は、液体のまま捨てないのが大原則です。家庭では凝固剤で固めるか、新聞紙・牛乳パックに吸わせて燃やすごみへ。量が多いときや環境にやさしく手放したいときは、名古屋市の回収協力店や横浜市の回収のように、リサイクル回収に出すとバイオ燃料やSAFに生まれ変わります。
油を吸わせた紙は自然発火を防ぐために水もしみ込ませ、高温の場所を避けて保管します。灯油など燃やすごみに出せない油とは区別し、油の種類ごとに正しい出し先を選びましょう。容器は中身を出し切ってから、自治体の区分で出すと安心です。
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